今日旧結家の最後の片付けにいってきました


食器棚を動かしたら今までの8年間の埃が積もっていて
大昔に死んだのであろう昆虫の屍骸がでてきました
ずっとここで眠ってみんなの声を聞いていたんだね

箒で埃を払って
ピアノの上のシーツを取りさって
洗面所のみんなの写真を剥がして
今まで使っていた大事な鍋も捨てて

全部荷物を引き上げて何もなくなったおうちは
ガランと寒々しく、ただただ広くて。。


ここにみんながいたのに
ここにベッドがあったのに
ここでごはん食べてたのに
ここで洗濯物畳んでたのに
ここでみんなが笑ってたのに



まるで今までのことがすべて夢だったみたい



8年前ひとりで初めてこの場所に来たときの自分とオーバーラップする
今みたいに何にもないこの広い空間に向き合って
これからどうしようって考えたんだ


なんて幸せな夢だったんだろう
たったひとりで来た私に
翡翠色の穏やかな海の前で大きな大きな家族がいる優しい優しい夢を見せてくれた





ありがとう






お辞儀をして下を向いたら
涙がとまらなくなった






ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




私たちを大事にしてくれて
愛してくれて。






ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう





ありがとう





ありがとう





ありがとう




ありがとう





ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




ありがとう




なにもかも、すべてのことが。





このまま波の音の中に包まれて
うとうととずっとあなたの中でまどろんでいたかった



あなたを愛してます
今までもこれからもずっと。



おうちの中にはもう入れなくなるけど
浜には遊びに来ます


そしてそこから見上げます


あなたはどうしてるのかなって。


さみしがりなあなたのことだから
次の家主さんがあなたをどんな風に使うのかとても気がかりです
どうか変わらずみんなに愛されて大事にしてもらえることを心から切望します
そうしてもらえないならどんなことをしてもあなたを取り戻したいです


玄関のシーサーを車に乗せて
動かないボンゴをデリカで牽引して引っ張って
看板を外して
ドアの鍵を閉めて

私たちは行きます
いつものセリフで
振り向きながら








じゃあまたね！
　　

いってきます！！！